個人の咀嚼(そしゃく)能力に応じて
「噛みごたえ」のある食品を選びましょう。
私達が日常摂取している食べ物は、やわらかい食品が多く、十分な咀嚼をしなくても栄養を取ることが出来ます。
しかし、噛むことは咀嚼機能を発達・維持するために大切であり、自分の身体の発達段階(ライフステージ)や咀嚼器官の状態に応じて、「噛みごたえ」のある食品を意識的に食べることが必要です。
特に成長・発達期は健全な咀嚼器官を作るため、よく噛んで食べる「噛みごたえ」のある食品を食べることが必要です。成人期以降も、やわらかい物ばかり食べていると咀嚼能力が必要以上に落ちてしまうので、個人の咀嚼能力に応じて適度な「噛みごたえ」のある食品を食べることで咀嚼器官の衰えを防ぎます。
では、「噛みごたえ」のある食品とは、どのようなものでしょうか?
当社では、「噛みごたえ」の指数として、食べ物を口に入れてから飲み下すまでの筋活動量を測定しています。筋活動量が大きいほど、「噛みごたえ」がある食品になります。
図1は、おやつやおつまみを食べた時の筋活動量を示したものです。
出典:【1】日本咀嚼学会雑誌、18巻1号、2008年、65ページ Fig.1を改変転載
皮付さきいか や ビーフジャーキー、またピーナッツや煎餅は、どちらもかたい食品と考えられています。しかし、実際に噛んでみると、皮付さきいか やビーフジャーキーは沢山噛まないと飲み込むことができませんが、ピーナッツや煎餅は一回で細かく砕け食べることができます。
筋活動量は「噛みごたえ」を示す数値なので、かたく、噛む回数が多い食品ほど、大きくなることがわかります。
やわらかいものばかり食べていると噛む力がしだいに弱くなってしまいます。よく噛んで食べることは健康のためにとても大切なことです。
健康な咀嚼器官の発達・維持のために、食事のバランスだけでなく、自分の咀嚼能力に合った「噛みごたえ」のある食品を選ぶように普段から意識しましょう。